ドクターブログ

感染根管治療と抗菌薬

 不適切な処方が原因の抗菌薬の過剰使用は世界的な問題となっており、耐性菌の出現や全身的な副作用のリスク, 医療費の圧迫などが懸念されています。
現在,各国でガイドラインが発表され, 適切な抗菌薬の使用が勧告されています。抗菌薬の使用はあくまで治療の補足的な方法であり, 感染の拡大予防, 全身的な関与を伴う急性根尖膿瘍, 進行性 持続性のある感染症に適応となる。 壊死した歯髄組織には血管は新生せず, 抗菌薬が感染部位に十分に到達しないことから、症状の改善には根管処置行う必要がある。根尖膿瘍においても切開, 排膿などの消炎処置を行い,嫌気環境を改善しないと薬効を低下させてしまうのです。
 各国で抗菌薬の使用状況について調査されているが,不必要な処方の要因として, 処置に対する時間不足,患者からの要望といったものが主にあげられます。これらは日本の歯科医療現場でも同様である.歯科医師も簡単に処方しがちであるが,その判断基準は経験的なものが多いのではないだろうか。抗菌薬の使用についてはリスクを伴うことを十分に理解し、患者にその必要性について説明できなければならない. 抗菌薬の使用は、 症状および患者の状態をよく確認し,その必要性を正当化できるかが重要であり, 過剰処方を可能な限り避けることが望ましいと考えます。 



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